韓米関係が好転だなんて嘘もいいところだ。
冷える日韓、懸案は棚上げ 外相会談
日韓外相会談では、排他的経済水域(EEZ)境界画定などの懸案で進展はなかった。歴史認識をめぐる根強い不信感で冷えた関係打開のきっかけがつかめない。一方で、最近、対米関係を急速に回復している韓国は、北朝鮮問題で自信を持ち、日本への発言の厳しさも勢いを増している。
「うち解けた雰囲気で話ができた」。31日夕の会談終了後、麻生外相は報道陣に語った。しかし、韓国政府当局者は事前に「今回は特段の決定事項はない」と予告。共同声明や共同会見も準備しないクールさだった。
両国間に懸案は山積している。3月に東京で開かれたEEZ境界画定交渉では、韓国側が竹島(韓国名・独島)周辺海域での海洋調査の事前通報制度導入を拒否した。自由貿易協定(FTA)交渉も、農産物の扱いをめぐり2年以上中断。韓国側は、この日も日本の積極的対応を促したが、めどは立っていない。
両国関係が停滞しているのは、安倍首相と盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領との間が「完全に冷え切っている」(日本政府関係者)からだ。両首脳は昨年10月、北朝鮮の核実験直後に会談したが、大統領が力を込めたのは核問題ではなく、靖国参拝や慰安婦などの歴史問題だった。日本政府内には「大統領さえ代われば何とかなる」という空気も漂う。
外相会談では、安保対話や歴史共同研究といった個別の問題では前向きな調整も行われたが、一昨年から途絶えている首脳の相互訪問は再開の見通しが立たない。3月の日韓次官級戦略対話で日本は「大統領訪日には成果が必要」と及び腰で、韓国も消極的だった。
一方、核問題をめぐる最近の米朝接近で、韓国は重油5万トン相当のエネルギー支援負担や肥料支援の再開が容易になった。米韓間で長年の懸案だった戦時作戦統制権の移管問題や在韓米軍の移転縮小問題にめどがついた。米韓FTA交渉も妥結へ向かっている。「韓米関係は確実に好転している」(韓国政府関係者)なかで、慰安婦問題で米国内から出ている対日批判も韓国を勢いづけている。ある韓国当局者は皮肉を込めて言った。「韓国の主張は控えめだ。今は国際社会対日本という構図だから、韓国は静かにしていた方がよい」
2007年03月31日22時24分 朝日新聞
“韓国側は、この日も日本の積極的対応を促した”とあるが、要求したのはただの譲歩じゃないか。
北朝鮮の核実験強行直後の日韓首脳会談において“大統領が力を込めたのは核問題ではなく、靖国参拝や慰安婦などの歴史問題”だったという常識はずれの基地外大統領と“一昨年から途絶えている首脳の相互訪問は再開の見通しが立たない”からなんだっての。そんなことは望むところだ。
しかしそれよりも何よりもいったい何時から“「韓米関係は確実に好転している」”ことになっているのでしょうか。
中でも朝日が“対米関係を急速に回復している韓国”の事例が“米韓間で長年の懸案だった戦時作戦統制権の移管問題や在韓米軍の移転縮小問題にめど”だという主張には唖然とします。
確かに米国は2009年を目処に統帥権の韓国への移管を決定しました。これによって韓米の合同司令部は解体され、指揮権は韓国軍に移されます。
しかしながらこれによって米軍は韓国を守る必要がなくなり、以前は合同司令部の合意を必要としていた朝鮮半島における軍事行動においても制約を受けなくなるのです。つまり事実上、米軍は韓国を見捨て、その代わりに緊張を増す朝鮮半島における自由を手に入れたというわけです。そして当然ながら在韓米軍は大幅に縮小されます。
これによって韓国は、名実共にアジアのバランサーとして自国のみの軍事力で、急速に軍事力を増強し続ける中国とそれに対抗する日本との間に挟まれ、北朝鮮と対峙していかねばならなくなっています。事実、2009年の統帥権移管に向けて軍事予算は増大の一歩をたどっており、最近も北朝鮮の核やミサイルの脅威に備えた緊急需要予算として392億ウォンを増額する方針を決めています。
“韓国は重油5万トン相当のエネルギー支援負担や肥料支援の再開が容易”という事実は、まさにノムヒョン大統領の基地外外交の真髄を表しています。これによって韓国は、ウォン高によって輸出産業が壊滅して税収が減った上に為替対策費によって国家財政が悪化していく中で、核実験を強行した北朝鮮と対峙する為の軍事予算も増大させながらも、その北朝鮮に対する巨額の支援を続けていくという支離滅裂の自滅政策をとることになります。それもご丁寧に米軍の後ろ盾も自ら切り捨てるというオマケ付きで。
これの何処が“対米関係を急速に回復している韓国”なのか全く理解に苦しみます。傍から見れば親北政策をとり続ける韓国に対して、米国が軍事的、財政的圧力をかけているようにしか見えない。
親北政策をとり続けるノムヒョン大統領に対して、対北制裁強化政策をとり続ける日本は始めから対立しています。そのような中で日韓関係の改善が見られるとすれば、それはノムヒョン大統領が現在の行き過ぎた親北政策を改めた時だけだ。
結局のところ“冷えた日韓関係”というものは対北朝鮮政策の対立そのものだ。そして現状を見る限り、ノムヒョン大統領辞任後に泣き付いてくるのは韓国のほうになるだろう。日本は日韓外交において一歩たりとも譲歩してはならない。
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