醜い開き直り
もう、何度目でしょうか。
鳩山由紀夫首相は29日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題について「いろいろな選択肢の中から、最終的には一つにして交渉をまとめていく。いくつかの案が最初にあることは当然かもしれない」と記者団に語り、政府案に複数の移設先を盛り込む可能性に言及した。26日の記者会見では3月中に政府案の一本化を目指す考えを示したが、29日は「今月中じゃなきゃならないと法的に決まっているわけではない」と修正した。
これに関連し、平野博文官房長官は29日の記者会見で「交渉する立場からいうと、代案を持たない交渉では大変苦しくなる。一つの案の中にも選択肢がある」と移設候補地を複数示して交渉にあたる意向を表明。岡田克也外相も政府案を一つに絞る必要はないとの考えを示している。【朝日弘行】
毎日新聞 2010年3月29日 22時11分
“「交渉する立場からいうと、代案を持たない交渉では大変苦しくなる。一つの案の中にも選択肢がある」”とはいいますが、“与党内で合意されている政府案がいくつかある状態”と、“与党内でまだ合意すらされていない私案がいくつもある状態”では雲泥の差があります。
そして、現在の状況は間違いなく後者です。
交渉の前段階として、少なくとも米国に示す選択肢に対する与党内での合意は不可欠です。このままでは、5月の期限まで交渉の席に着くことすら出来ないままで終わるでしょう。
それにしても鳩山首相が“「今月中じゃなきゃならないと法的に決まっているわけではない」”という開き直る姿は醜いばかりです。
少なくとも、元公設秘書の勝場容疑者が政治資金規正法違反で禁固2年を求刑され、自身も実母から不正に12億円もの資金を受け取った脱税疑惑にまみれた首相が言うべき言葉ではありません。そして、その“法的に決まっているわけではない”、つまりは、違法でなければ何をやっても良いという言葉の中には、政治家として当然備わっているべき倫理観の欠片も見いだすことが出来ません。
そもそも、“法的に決まっているわけではない”という、稚拙で幼稚で破廉恥な言い訳が許されてしまうならば、普天間移設問題そのものも、この言葉ひとつで片づけられてしまう訳で。
このように致命的な言葉を軽々と吐き、日本の信用を失墜させて止まない鳩山由紀夫は首相の器ではないですね。
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