嘉手納統合と県外移転は不可能
社民党が代換案らしきものを
社民党は19日の常任幹事会で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題について、東京都小笠原村の硫黄島やグアムへの移設を検討するよう政府に申し入れることを決めた。併せて政府・与党による協議の場を設けるよう求める。社民党はこれまで沖縄県外や国外の移設を求めていたが、具体的な移設先を示したのは初めて。
また、重野安正幹事長は記者会見で、28~30日に同飛行場視察などのため沖縄県を訪問することを明らかにした。重野氏は「今のままでは果たして沖縄県民が期待する結論が出るのか危惧(きぐ)せざるを得ない。政府は硫黄島やグアム(移設の可能性)を具体的に検証すべきだ」と語った。(2009/11/19-13:29)時事通信
岡田外相の嘉手納統合については
日本が武力侵攻される事態を想定して、米軍が沖縄県の米空軍嘉手納基地(同県嘉手納町など)に航空機約80機を追加し、米海兵隊普天間飛行場(宜野湾市)には300機のヘリコプターを追加配備する有事作戦計画を立てていることが分かった。普天間飛行場の移設問題をめぐる日米の閣僚級作業部会で、米側が統合案を拒否する軍事的な背景が明らかになった。
日米軍事筋によると、米空軍は日本有事に対応して戦力増強する計画を立案。嘉手納基地へは米本土からF16戦闘機、空中警戒管制機(AWACS)、空中給油機、輸送機など約80機を追加配備する。
現在、嘉手納基地には第18航空団のF15戦闘機54機をはじめ、米海軍のP3C哨戒機など約100機が常駐するため、有事には倍ちかくとなる。
また米海兵隊は、普天間飛行場に兵士を空輸する大型ヘリコプターなど300機を追加配備する。現在、同基地のヘリは約50機のため、7倍に増える。空軍と比べ追加機数が多いのは「機体が損傷したり、故障しても修理せず、別の機体を使う」(同筋)ためという。
これらを嘉手納基地1カ所にまとめると、基地は航空機やヘリであふれかえる。米側は「離着陸時、戦闘機の最低速度とヘリの最高速度はともに120ノット(時速約220キロ)。同居すると運用に支障が出る。沖縄には2つの航空基地が必要だ」と説明したという。
米軍が想定した有事は、米軍と戦力が互角だった冷戦時の極東ソ連軍による武力攻撃だ。台湾有事や朝鮮半島有事でも、追加配備の重要性は変わらないとされる。
そうした有事が起きる確度は極めて低いが、米軍は有事を主軸に基地使用を計画するという。
2009年11月19日 09時08分 (中日新聞・東京新聞)
まず、普天間基地は海兵隊の強襲用ヘリ基地である為、飛行場のほかに海兵隊駐屯地や訓練場も併設する必要があることを考えれば硫黄島は論外、また、米軍が日本有事を“「機体が損傷したり、故障しても修理せず、別の機体を使う」”と短期決戦を想定している以上、グアムではあまりにも遠すぎます。
岡田外相の嘉手納統合案についても、日本有事を想定すれば統合は不可能です。
つまり、米軍が沖縄以外に基地を作るのは日本を捨てた時だけです。鳩山首相も沖縄県外に基地移転を決断するつもりなら、日米同盟解消は覚悟しなければならないでしょう。
さて、“有事が起きる確度は極めて低いが、米軍は有事を主軸に基地使用を計画”とは言いますが、有事を想定した基地が無くなれば、有事の起きる可能性は飛躍的に高まります。
クウェート侵攻はイラクの脅威をアラブ諸国が過小評価したために起きました。50対1という圧倒的戦力差によってクウェートはわずか20時間で制圧され、その後の奪還作戦ではイラク、多国籍軍側双方に多くの血が流されるとともに、イラク軍による油田爆破や重油流出などで地球環境やペルシャ湾の生態系は深刻なダメージを受けました。
確かに、米軍基地の80%が集中する沖縄の負担は、本土では想像できない以上のものがあるのでしょう。また、キャンプシュワブ沖合に建設予定の普天間代換飛行場も、絶滅危惧種のジュゴンの生息北限に位置することから環境破壊を引き起こすものとして問題があると思います。
しかしながら、中国が不透明な軍事拡張で周辺国を威嚇し、北朝鮮が周辺各国の制止を無視して核爆弾製造を押し進めるような緊迫した現在の状況下では、基地を無くして抑止力が無くなれば、より多くの血が流れ、環境が破壊される事態に発展することは確実です。
日本の防衛を司る鳩山首相はその点を地元に根気よく説明し、米軍基地建設を納得させる義務がある。
現在のように、ただただ決断を避けて逃げ回ってるだけならば、その優柔不断は深刻な事態を巻き起こすことになることは間違いないでしょう。
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コメント
>米軍基地の80%が集中する沖縄の負担
これは事実と違います。
沖縄は米軍基地の22.68%が集中するが正解。
70%と言う数字は、言葉のロジックで生み出されただけです。
下記の記述からご理解いただけるでしょうか。
2008年現在、米軍施設は29都道県に、米軍専用施設に限っても13都道県に置かれ、その面積の33%は北海道、これに次ぐ22%は沖縄県に集中している。米軍専用施設に限ればその74%は沖縄県に集中する
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%A8%E6%97%A5%E7%B1%B3%E8%BB%8D
投稿: ひゅうが | 2009年11月19日 (木) 23時52分
22.68%ですね。了解です。
一般に得られる情報を鵜呑みにするのは危険ですね。
投稿: takayuu | 2009年11月20日 (金) 11時16分