脱官僚依存は看板倒れ
いきなり挫折。
首相官邸が鳩山由紀夫首相や平野博文官房長官らに対する臨時国会での質疑について、各省庁に「答弁メモ」を作成するよう指示していたことが26日、共同通信が入手した内部文書で分かった。指示は首相がそのまま読んでもいいように答弁を作成するよう要求し、「模範回答」づくりを官僚に丸投げする内容となっている。
民主党の小沢一郎幹事長が官僚の国会答弁を禁止する構えをみせるなど、政府・与党が掲げる「政治主導の新しい政治」と逆行する動きで、「脱官僚依存」は看板倒れとの声も出そうだ。
文書は内閣総務官室の名前で先週、各省庁に出された。「自公政権の麻生内閣下の指示とほとんど変わってない」(省庁幹部)という。首相と官房長官、官房副長官の答弁について文書は「これまで通り(麻生政権と同様に)各省庁の協力をお願いする」と記載。首相答弁では「首相にふさわしい格調高い表現」にするよう要求した上で「質問の趣旨を踏まえた簡潔な内容」にし、「結論を先に述べる」と、文書の書き方を指南した。
答弁メモの文章については「―に資する」や「適切に対応する」など役人にしか分からない表現を使わないとともに「積極的に推進する」といった抽象的な表現にしないよう注意喚起している。両論併記も認めないとした。
さらに答弁に関係する与党3党の政策合意や民主党の政権公約を資料として添付するよう指定するほか、答弁してはいけない内容や注意点を記すことも求めるなど、官僚側に細かな指示を出している。
鳩山内閣の国会答弁をめぐっては、平野官房長官が15日、事前に与野党議員から質問内容を聞き出す「質問取り」を、これまでの政権と同様に各省庁の国会担当の官僚に行わせると表明。
今回の指示は、政治家の答弁メモ作成能力の問題があるほか、副大臣や政務官の人員が不足していることから、増員が実現するまでは官僚に頼るしかなかったためとみられる。しかし臨時国会で、野党・自民党から公約違反などと厳しく追及される場面もありそうだ。2009年10月27日火曜日 河北新報社
昨日、所信演説で脱官僚を軸とした国会改革を表明した鳩山内閣ですが、その裏で“臨時国会での質疑について、各省庁に「答弁メモ」を作成するよう指示”し、“指示は首相がそのまま読んでもいいように答弁を作成するよう要求し、「模範回答」づくりを官僚に丸投げする内容”とはどういうことなんでしょうか。
所信演説では、“「官僚依存から国民への大政奉還」”“「戦後行政の大掃除」”など表明していましたが、それも単なるお題目だということを早速自ら証明して見せたようなものです。
官僚も民主党が“政治主導”で好き勝手やった政策について、その答弁だけを作成させられるとはとんだとばっちりですね。“副大臣や政務官の人員が不足”とはいいますが、本当の理由は“政治家の答弁メモ作成能力の問題”、つまりは民主党議員の能力不足にある事は間違いないでしょう。
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