高速道路無料化は不要
経済効果年7・8兆円だってさ。
民主党が実施を検討している高速道路の無料化について、国土交通省が2007年度に行っていた経済効果の試算内容が6日、明らかになった。
一般道については、交通量の減少で渋滞が減るなどとして年にプラス4・8兆円の経済効果があるとした。一方、高速道路は、利用者増で渋滞が増加することなどからマイナス2・1兆円となり、差し引きでプラス2・7兆円の効果を見込んでいる。
政府はこれまで、国会答弁などで、高速道路無料化の経済効果に関する試算について「国交省がまとめたものは存在しない」としていた。試算の存在が判明したことで、民主党政権の発足後、問題追及される可能性がある。
試算は、国交省の国土技術政策総合研究所が、首都高速道路と阪神高速道路を除く高速道路を無料化した場合について行った。道路建設の費用対効果を判断する際に用いる走行時間短縮、燃料費などの削減、交通事故減少の三つを金額に換算して合計している。
また、家計の負担減などによる波及的な効果もあわせた別の計算方法では、経済効果は年7・8兆円に上るとしている。
民主党は無料化の実施には年1・3兆円の財源が必要としており、試算結果は無料化を後押しする材料となる。ただ、物流業者などからは高速道路の混雑を懸念する声も高まっている。
(2009年9月6日19時47分 読売新聞)
とりあえず、温暖化ガス90年比25%削減という中期目標との整合性はどうやってとるつもりなんでしょうね。完全に逆行しています。
確かに、一般道の交通量が減れば渋滞は減るかもしれませんが、幹線道路沿いの外食・小売への深刻な影響は避けられません。儲かるのは一部のSA出入り業者だけです。
また、今まで目的地選択の重大な要素であった“時間”か“金”かという選択肢の“金”という制約がなくなり、高速道路がある地域と無い地域の地域格差が歴然となります。
よって、遠方の、それも高速道路がある行楽地は繁盛するかもしれませんが、大都市近隣の行楽地や、遠方にあっても高速道路の無い地域の行楽地は深刻な影響を受けることになるでしょう。
そして、最初に上げた通り、エコから完全に逆行しています。モータリゼーションが一層推進されることにより、CO2の排出量が飛躍的に増大するでしょう。また、公共交通機関の利用者数激減により、自治体の財政赤字が一層深刻化し、それに伴う合理化で交通弱者を大量に生み出すことにもなります。
最後に、忘れてはならないのが財源の問題です。仮に“経済効果は年7・8兆円に上る”としても、“年1・3兆円の財源”をどこから回収するつもりなんでしょうか?
民主党は、ガソリン税の暫定税率も廃止すると公言しており、高速道路無料化に伴うガソリン消費量増から回収することは不可能です。
結果、増税しかないわけで、上げるとしたらもう消費税くらいしかありません。地球温暖化対策税とあわせて大増税になっちゃいますね。
似たようなことはみんな考えているようで。
【民主3大政策100人に聞きました(上)】高速無料化はエコに逆行、75%反対
産経新聞
まぁ、正直、高速道路休日1000円も止めてほしいです。外食・小売へのダメージは深刻ですから。儲かっているのはSAと一部の観光地だけ。政治の公平性という観点からは最悪です。
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コメント
東北道:川口~青森700km 1万3500円
東名・名神:東京~京都東500km 9800円
は確かに高いですが
無料が原則の外国の高速道路も最近は有料化の方向です。維持管理にやはり費用がかかるのです。
ですから
民主党の無料化はムチャクチャです!
半額ぐらいがちょうど良いのではないでしょうか・・・
投稿: 柳生昴 | 2009年9月 8日 (火) 22時08分
幾ら経済効果が上がったとしても、財源がなけりゃ、どっかからとらなきゃならんからねぇ。
高いといっても、公社である限り、維持管理に必要な金額をとってるわけだから、闇雲にタダにしろというのは乱暴すぎますね。
投稿: takayuu | 2009年9月 8日 (火) 23時08分
毎年3兆円の税金を投入して、高速道路を無料にしてレジヤーで高速道路を利用する人を優遇する。
利用する人も利用しない人も税負担を強いられる。税負担でなく今までどおり受益者負担とすべき。
利用増による渋滞によって、運送会社や高速バス会社は予定の時間通りに走れず事業が成り立たないので、無料化に反対している。渋滞はマイナスの経済効果となる。
自家用車の利用増によって、排ガスが増加して地球温暖化および健康被害を加速させる。
本来、モーダルシフトによって、自家用車から公共交通機関へ移行させて、二酸化炭素の排出量を減らして温暖化対策とするべきであるが、その逆を推進しようとしている。
新聞社による全国の知事へのアンケートでは、高速無料化を評価した知事は岩手、徳島、沖縄のわずか3知事だけ。
民主党の政策は総じて他人の納めた税金のばら撒きによる人気取りに重点が置かれており、本来必要な理念が無い。
投稿: 高速道路の税金化反対 | 2009年9月15日 (火) 07時19分
民営化したはずの高速道路公団を元の公団に戻すって事は35兆もの有利子負債を我々の税金で返済するって事。
高速なんぞ使わない私にとってはまさに増税。
おまけにガソリン税も廃止?
25%のCO2カット?
民主に投票した人達って?
投稿: oraoyaji | 2009年9月16日 (水) 22時42分
高速無料化だけでは、やはり反対。
だけど、単純に高速と一般道を比較したら、燃費や安全性、利便性、騒音等、総合的に高速道路が優れているわけで、結果的に一般道の利用を促進している高速道路有料は、無料にすべきだと思います。
渋滞対策については、自動車税や重量税、自動車取得税を燃料税に置き換えて、燃料代を高くしてはどうでしょう?
それと、都心部では、高速・一般道すべてに課金するロードプライシングが有効です(ロンドンが有名)。一般道は混んで良いわけじゃないですからね。
投稿: II | 2009年9月22日 (火) 22時53分
高速はあんまり使わないから、無料化は???と思うけど、
家の近くの国道を、他県ナンバーの大型トラックが、昼夜を問わず走りまわるのが無くなるのであれば、少しなら、税金を負担しても良いかなと思う。
本当は、鉄道や船の運賃を下げるか、自動車の燃料代を上げるかして、トラック輸送自体を減らす政策を行って欲しいですけどね。
投稿: kouhf | 2009年9月22日 (火) 23時03分