…。(絶句。)
…。
脱北してこれまで日本に住んでいたという在日朝鮮人女性が26日、北京の北朝鮮大使館で記者会見し、「日本社会は氷のように冷たかった」などと語った。核問題をめぐる協議が動きつつある中、北朝鮮が拉致問題の解決を訴える日本を牽制(けんせい)する狙いがあるとみられる。
北朝鮮大使館員に付き添われて会見したのは「ト・チュジ」と名乗る女性で、49年に川崎市で在日朝鮮人の父と「いしかわみよこ」という名の母の三女として生まれ、60年に親と北朝鮮に渡ったと話した。
女性は03年10月、「本意でなかったが、だまされて(中朝国境を流れる)豆満江を渡った」と説明。瀋陽の日本総領事館に行き、千葉県で暮らしたという。
日本政府当局者から子どもも日本で一緒に暮らすよう促されたが、北朝鮮に戻ると決め、今月21日に北京に来たという。
女性が話した後、質問を受け付けずに大使館員が会見を打ち切った。
◇
会見したのは、先に日本に戻っていた兄の手引きで03年10月に瀋陽の日本総領事館に保護され、同11月に帰国した日本人女性(57)とみられる。脱北し日本に帰国した日本人女性が「北朝鮮に戻る」と記者会見を開いたのは、05年4月の平島筆子さんに次いで2人目。
2007年06月26日20時41分 朝日新聞
“日本政府当局者から子どもも日本で一緒に暮らすよう促されたが、北朝鮮に戻ると決め、今月21日に北京に来た”という状況から考えて、この帰国劇には北朝鮮当局の何らかの圧力があったことは容易に推測できます。
“「日本社会は氷のように冷たかった」”のであれば、何も北朝鮮に戻らなくても同族が住む南朝鮮に渡ればよい。なのに戻れば強制収容所行きと分かっていながら北朝鮮に戻っていったのは、よほど差し迫った事情があったのでしょう。
しかし、朝日新聞の報道も解せません。時事通信では“「誘拐された」”と主張し、朝鮮日報に至っては“強制拉致され、無理やり日本に連れて行かれた”と主張するという、明らかに北朝鮮当局に強制的に吹き込まれたとしか思えない噴飯物の虚言が報道されているにも関わらず、その重要な部分がスッポリ抜け落ち、まるで本当に騙されて日本に連れて来られたかのように報道されています。
確かに、女性が脱北者であることを報道せず、“日本が強制拉致した”と報道する朝鮮日報も困ったちゃんですが、そのことすら報道しない朝日新聞にも困ったものです。これではまるで、この脱北者が日本社会に見捨てられた被害者ではないか。
もう、こんがらがってなんだか分からなくなってきましたが、この脱北者の母親が日本人であり、時事通信が“日本に戻った”と表現、そして朝日新聞も“脱北し日本に帰国した日本人女性”と表現している以上、この脱北者の国籍は“日本”であると推測できます。
それどころか、“60年に親と北朝鮮に渡った”といえば、朝日新聞やサヨク系知識人が率先して喧伝した、あの北朝鮮による史上最大の詐欺、“北朝鮮帰国事業”の被害者ではないのか。
かつてあの帰国事業によって、約10万人がサヨクが賛美するところの“夢の楽園北朝鮮”に永住帰国しました。そして、その中には在日朝鮮人の家族として、6000人あまりの日本人が含まれていた。
そして当然の如く彼らの期待は見事に裏切られ、帰還民の大半は「資本主義国のスパイ」として強制収容所送りとなり、その収容所の中で肉親へ仕送りの無心を強要され、それらによって得た収入によって金正成はその懐を潤したのです。
中でも日本人妻は凄惨な扱いを受け、脱北者でかつて政治犯収容所の警備隊員であった安明哲は“女性は50歳ぐらいで、夫は朝鮮人。「『日本に帰りたい』と言ったために拷問を受けることになった」という。女性は後ろ手に縛られた上、両脚のひざ裏に角材を挟まれた形で前かがみに座らされ、看守が馬乗りになって棒でたたいていた”とその様子を証言しています。
朝日新聞はサヨク系新聞の代表格として大々的な帰国事業支援キャンペーンをはり、1960年2月26日付の朝刊にて以下のような記事を掲載しています。
「帰還希望者が増えたのはなんといっても『完全就職、生活保障』と伝えられた北朝鮮の魅力らしい。各地の在日朝鮮人の多くは帰還実施まで、将来に希望の少ない日本の生活に愛想を尽かしながらも、二度と戻れぬ日本を去って"未知の故国"へ渡るフンギリをつけかねていたらしい。ところが、第一船で帰った人たちに対する歓迎振りや、完備した受け入れ態勢、目覚しい復興振り、などが報道され、さらに『明るい毎日の生活』を伝える帰還者たちの手紙が届いたため、帰還へ踏み切ったようだ」
(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より)
つまり、朝日新聞は過去、このように北朝鮮の国家的詐欺、誘拐、殺人事件である“北朝鮮帰国事業”に積極的に関与しながら、その末裔についてもまた、、北朝鮮の主張を丸呑みして日本を一方的に非難することにより再び見捨てようとしているわけです。
朝日新聞のこのような体質は今に始まったことではなく、相次ぐ脱北者によって、かつての帰国事業が北朝鮮による詐欺、誘拐、監禁、殺人事件であったことが明らかになると、2004年5月18日付で“「帰国事業は日本政府による朝鮮人追放政策だった」”と報道し、総スカンを食らっているところから見ても、その体質は脈々と受け継がれていることが良く分かります。
こういった経緯を考えれば、今回のこの事件は、この脱北者の北朝鮮への帰還に何らかの“強制性”があるのならば、これは逆に犯罪国家、“北朝鮮による強制拉致”と主張し、北朝鮮によるこの犯罪行為を非難することも可能です。
そしてこのことは、日頃、政府の言動についてはほんの些細な切欠も見逃さずに曲解し、誇張した上、偏向報道する朝日新聞であれば、当然主張してしかるべき事ではないのか。
それにもかかわらず、自らの過去を封印し、この脱北者の“「誘拐された」”“強制拉致され、日本に無理やり連れて行かれた”という発言は意図的にカット。そして“「日本社会は氷のように冷たかった」”という北朝鮮にとって都合の良いプロパガンダのみ垂れ流す報道姿勢にはもはや“…。(絶句。)”するしかない。
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コメント
そういえば、帰国事業のことは、
最近のテレビでは、こぞって『日本政府が騙して北朝鮮に帰国させた』と言ってましたよ。
しかも、「当時帰国事業を進めたのは小泉首相の父親でした』とか、
『在日朝鮮人は貧しい人が多かったので、当時の日本政府はやっかい払いしたかったようですね』とまで語っていました。
当時、日テレのワイドショーで草野(司会者)が言っていたのをハッキリ覚えています。
しかもその場にいたサヨク系コメンテーターも、なんとそれに同調。
自分達が煽った側だということなんか、口をぬぐって、しらばっくれるつもりなんでしょう。
ああいう連中は、悪事がバレルと、何でも政府の責任にできるからお気楽なもんです。
投稿: アサピー嫌い | 2007年6月27日 (水) 14時04分
>日本政府が騙して北朝鮮に帰国させた
呆れますね、サヨクの常套手段ではありますが、社会人として、自分の言説が覆って都合が悪くなったら、他者に責任転嫁すればよい、と言うのは、「成り済ます」という芸を除けば、まるっきり、アイムザパニーズと同じ発想ですね、唯のクズです。
ソモ帰国事業は、旧国民に対して、新たに自らの国が2つもできたのだから、どちらかに還ったらドウかと、旧管理者として責任をとった形でしょう、還る予定を表明して、結局還らなかった人達にも帰還費用も支払ったのですがね、それに、一旦還って、亦還ってきた人達にも門戸を開けて居たのです、10年も。
日本はこれ以上無いと言えるほどの措置を、旧国民に対して行っています、だから、在日が今居るワケなんですが、その点について説明できない程度ナンじゃないんですか、そのサヨク共って。
投稿: ナポレオン・ソロ | 2007年6月27日 (水) 17時09分