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2007年4月 7日 (土)

中共によるバブル抑制

中国人民銀行が引き締め策に出ているようです。

中国預金準備率10.5%に 今年3回目の引き上げ

 中国人民銀行(中央銀行)は5日、金融機関の預金準備率を16日から0.5%引き上げ、10.5%にすると発表した。引き上げは今年3回目で、昨年7月以降では6回目。預金準備率の引き上げは銀行の余裕資金を吸収し、貸し出しを抑制する効果がある。

 中国では貿易黒字の膨張で国内の人民元供給量が増加、大都市で不動産価格高騰などの影響が出ている。温家宝首相も過剰流動性に警戒感を示しており、人民銀は3月に昨年8月以来の利上げも実施。預金準備率引き上げや巨額の中銀手形発行と組み合わせて、通貨供給量を抑える姿勢を明確にしている。(共同)

(2007/04/06 02:18) 産経新聞

 預金準備率とは、預金量に応じて強制的に一定割合を準備金として中央銀行に預け入れる預金準備金の割合のことを指します。

 預金準備金は中央銀行が金融機関から前もって預かっておく担保のようなものであり、この割合を変化させることによって、中央銀行は金融機関が貸し出しに回せる資金量を操作することが出来るとされています。

 しかし実際には、日々変化する資金残高に応じて一定割合の準備金を中央銀行に預け入れることは実質的に不可能である為、預金準備率は一定期間の平均によって算出されます。

 昨今、金融機関は不足資金調達を中央銀行ではなく、主にコール市場(短期金融市場)からの調達に頼っています。それによってかつて公定歩合の操作が金融政策の根幹であったのに対して、現在は無担保コール翌日物の金利の方が経済への影響が大きくなりつつある。

 もちろん預金準備率も例外ではなく、金融機関はこの預金準備金の不足分をコール市場から調達して調節する為、実際は預金準備率のその上下によって直接マネーサプライが調節されるのではなく、その調達コストの増減によってマネーサプライが調節されると言うことができるわけです。

 つまり、中国の預金準備率が0.5%引き上げられ、10.5%になったことによって、中国の銀行の資金調達コストがまた更に上昇したというわけです。

 現在の中国の不動産バブルを引っ張っているのはかつてのヘッジファンドなどの大口投資家ではなく、国内の個人投資家や華僑系の海外投資家等の中小投資家による郊外型中小不動産投資が中心となってきています。そして彼らが不動産投資に熱心なのは、近い将来の元の切り上げ幅を25%前後と見ているからです。

 既に上海など、都市部の不動産価格は不自然なほど横ばいを続けており、かつて飛ぶように売れた600平方メートル前後の億ション(約10億円)の売れ行きも極端に鈍ってきています。北京のマンション売れ残り率が60%に達して久しいのにもかかわらず、中国銀行の貸出残高における不動産投資の割合は依然として70%を超え、いつ何時それが不良債権化してもおかしくない状態が続いています。

 このように不動産価格が高止まりしながら需要が極端に減る現象はかつて日本も体験したバブル崩壊間際の現象に非常に酷似しています。

 今、中国の不動産バブルを支えているのは国内投資家や華僑を中心とした中小不動産投資家たちの元の切り上げ期待感だけです。中国の銀行は相次いで預金準備率が引き上げられたことによって資金コストが増大しているにもかかわらず、中小不動産投資の旺盛な投資意欲によってその貸し出し残高は増え続けています。そして利上げが行われた後も、中国の経済成長率も二桁から落ちる気配がありません。

 しかし、都市部の資金は既に焦げ付き始めており、いつ不良債権化してもおかしくない状態が続いています。一つでも破綻が表面化し、不良債権が顕在化すれば中国銀行の信用力が低下します。かつて日本の銀行も経験したことですが、コール市場の利率は格付一つで上下し、信用力の低下はそのまま資金調達コスト増に直結してしまいます。

 不良債権が顕在化し、それがまた信用力の低下につながれば、更なる資金のコスト増によって、銀行の経営体質がますます悪化します。それはやがて貸し渋りへとつながり、それがまた不動産の不良債権化につながるという悪循環に陥り、やがて中国経済は健全な市場も巻き込んでドミノ倒しのように崩壊してしまうでしょう。つまりバブルの崩壊です。

 結局のところ、中国の不動産バブルを抑制する為の有効な方策は、元切り上げしかその効果を期待できません。しかしながら小幅な利上げでは更なる利上げを期待させ、逆にバブルを加速させる危険性があります。かといって大幅な利上げを行えば今度は輸出産業が大打撃を受けてしまう。

 現在、中国の輸出産業保護に対する米国の相次ぐWTO提訴により、元切り上げ圧力は強まる一方となっています。そして為替市場もその期待感を受けて、連日の最高値を更新し続けている。

 元の大幅な切り上げはもはや不可避であり、それに向けて現在の不動産投資熱も頂点を迎えることになるでしょう。しかしながら、2008年の北京オリンピック開催による特需を終えた頃、都市部から始まるであろう不動産の大幅下落はもはや避けられず、それに伴う負の連鎖によって中国経済は急速に崩壊に向かって失速していくでしょう。

 中国不動産バブルの崩壊は、サブプライムローンの焦げ付き急増により弱体化した米国の住宅市場をも巻き込み、市場は大混乱に陥るでしょう。もちろん、日本も何らかの影響は避けれないであろうが、今のところは両国の成り行きを見守るしか手はない。

 しかしながら、経済的な混乱はやがて軍事的な暴発につながることは過去の歴史が証明しています。日本は来るべき台湾有事やそれに伴う尖閣諸島侵攻に対する準備を進め、それに伴う法整備と憲法改正を急がねばならない。

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参考サイト

コール市場 野村證券用語解説集

預金準備率操作 ソニーバンク用語集

サブプライムローン 焦げ付き急増 読売新聞

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コメント

中国人の商売根性は、華僑も含めて、
「友人が大損ここうが、親を殺そうが、その裏をかいて自分だけ儲けるのが一番偉い」
というものだから、中国のバブルに軟着陸という出口は存在しない。

投稿: あに | 2007年4月 7日 (土) 19時29分

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