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2007年3月23日 (金)

皮肉のうまい外務大臣

日本の新聞報道って本当に要領を得ませんね。

6者協議、2日間延長か 核協議開始は不透明

 北京で開かれている6者協議は、終了予定日だった21日、マカオの銀行バンコ・デルタ・アジア(BDA)に凍結されていた資金約2500万ドル(約29億円)の送金が完了していないとして北朝鮮が協議に応じず、前日に続き空転した。同日夜開いた首席代表者会合で、協議を2日間程度延長することを決めた。

 中国の秦剛・外務省副報道局長は同日夜の記者会見で「各国は会期の延長が必要ということで同意した」と述べた。ただ、BDAの送金問題は解決していない模様で、22日から核放棄に向けた協議が始まるかは不透明だ。

 ロシアのロシュコフ外務次官は21日夜、北京市内のホテルで記者団に対し、「協議を2日ほど延長する。この間に何らかの方法が見つかるだろう」と語った。さらに難航しているBDA問題について、米国が不正取引にかかわる資金の取り扱いを法で禁じていることなどを挙げ、「他国を経由すれば、その国や銀行に米国の制裁が波及する恐れがあり、中国銀行もそうした送金を扱うことを拒んでいる」と述べ、米国や中国の銀行側の問題で送金が遅れていることを示唆した。

 BDAの北朝鮮関連口座の資金全額は、中国銀行にある朝鮮貿易銀行の口座に移すことで米朝が合意していた。北朝鮮関係筋は21日、「いったん本国に金が返ってくると報告しており、それが確認できない以上動くに動けない」と話した。

 首席代表者会合や全体会合が開かれないため、北朝鮮・寧辺の核施設の稼働停止・封鎖の手順や方法などについての具体的な話し合いは止まったままで、各首席代表から不満の声が漏れた。

 21日、米国のヒル国務次官補と会談した韓国首席代表の千英宇(チョン・ヨンウ)・朝鮮半島平和交渉本部長は「すべての関係者が2日間にわたって問題解決のため、精力的に取り組んできた。なぜ解決できないのか分からない」と述べ、協議が進まない現状にいらだちをみせた。ヒル氏も「銀行の問題は我々の手に負えない。この問題で協議を止めることは北朝鮮にとって利益になるとは思わない」と、北朝鮮の姿勢を批判した。

2007年03月22日00時13分 朝日新聞

6か国協議が休会…北朝鮮の核問題討議拒否で

 【北京=坂元隆、黒見周平】北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議は4日目の22日午後、北京の釣魚台国賓館で首席代表会合を開き、休会入りを決めた。

 北朝鮮がマカオの銀行「バンコ・デルタ・アジア(BDA)」で凍結されている北朝鮮資金約2500万ドル(約29億円)が中国銀行の北朝鮮口座に全額送金されるまで核問題の討議を拒否するとの姿勢を最後まで崩さなかったためで、次回協議についても「できる限り早い機会に再開する」としただけで、具体的日程も決められなかった。

 協議が完全に空転したことで、2月の合意から60日以内の「初期段階」に北朝鮮が行う寧辺の核施設停止などの手順に関する詰めの議論ができず、合意履行が遅れる恐れが強まっている。

 米国首席代表のクリストファー・ヒル国務次官補は同日夜、北京市内のホテルで記者団に、「送金の遅れにもかかわらず、初期段階措置は軌道に乗っている」として、期限内の履行は可能との見方を強調。また、送金問題は「数日中に解決されるだろう」と述べた。

 だが、議長国・中国の武大偉外務次官は同夜の記者会見で、「(送金に関する)技術的な手続き問題で、(60日の)期日通りに計画が達成できないとしても、理解できる」と述べ、合意履行の遅れもやむなしとの考えを示した。中国外務省の劉建超報道局長は同日の定例記者会見で、送金問題について「難度は予想を超えており、解決には一定の時間がかかる」と述べた。

 日本首席代表を務める外務省の佐々江賢一郎アジア大洋州局長は同夜、記者団に、「北朝鮮が金融問題に固執するあまり前向きの姿勢を示さなかったのは遺憾」と強調するとともに、「日朝関係でも従来と何ら変わらない姿勢に終始した」と批判した。次回協議の開催は送金問題が決着しない限り難しいとの見方を示した。

 各国首席代表のうち、北朝鮮の金桂寛(キムケグァン)外務次官とロシアのアレクサンドル・ロシュコフ外務次官は同日午後、休会決定を待たずに帰国の途に就いた。

(2007年3月22日21時52分  読売新聞)

 どちらも、北朝鮮が協議を拒否した理由がBDAに凍結されている資金の送金が確認できない為としながらも、その肝心の送金が遅れている理由については、

 “米国や中国の銀行側の問題で送金が遅れていることを示唆

 “技術的な手続き問題

 “「難度は予想を超えており、解決には一定の時間がかかる」

 とまったく要領を得ず、記事をすべて読んでも“米国や中国の銀行側の問題”とされている“技術的な手続き問題”とは何なのかも、いったい何の“難度は予想を超えて”いるのかさっぱりわからない。

 こういう点では朝鮮日報の記者の方がはるかに優秀なようです。

北朝鮮の凍結資金、名義人わからず送金困難

 当初21日に終了する予定だった6カ国協議が延長された。各国代表団は協議が始まった19日にバンコ・デルタ・アジア(BDA)の北朝鮮凍結資金2500万ドル(約29億4000万円)が直ちに北朝鮮に渡るものと考えていた。BDAの捜査を担当した米国財務省のグレーザー副次官補が「中国銀行の朝鮮貿易口座に移される」と発表した時には、資金の引き渡しは単なる手続きに過ぎないと認識されていた。

 ところがこの問題で会議が4日間も進展しないままだ。北朝鮮は相変わらず資金を手にするまでは会談に応じられないという姿勢だ。千英宇(チョン・ヨンウ)外交部韓半島(朝鮮半島)平和交渉本部長は、「送金しようとしても技術的問題でできない。あきれたことが起こっている」と述べた。「あきれたこと」とは何か。

 金融取引は資金の受け渡しを行う双方の身分が明確である必要があり、またお互いに取引を行う意思も必要でこれは常識だ。ところが中国銀行が資金の受け入れに難色を示しているという。「違法」とされた資金の受け入れにより不利益を被る可能性があるからだ。中国銀行は香港と上海の株式市場に上場している。先進国よりも金融システムが遅れているとされる中国金融関係者としては、これを「透明性確保」の機会にしたいという思惑があり、またBDA問題の解決に強硬な立場を示した米国財務省の顔色をうかがっているとの見方もある。財務省は国際金融市場に強大な影響力を持っているからだ。

 しかしより根本的問題は北朝鮮にあるという。北朝鮮は口座名義人の身分をBDAに明かしていないため、BDAは送金したくてもできない状況だ。50以上のBDA北朝鮮口座のほとんどが既に死亡した朝光貿易総支配人のパク・ジャビョン名義となっており、現在の所有者は不明のままだ。パク総支配人は自らの身分を明かさないまま死亡したとの見方も出ている。

北京=李明振(イ・ミョンジン)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報JNS 記事入力 : 2007/03/22 08:26

 な~んだ。送金が遅れているのはすべて北朝鮮の責任ではないですか。自分でその原因を解決しない(できない)癖に、その問題解決が遅れているからといって難癖を付けるなんて、相変わらずのクソ野郎ですね。

 日本のマスコミも“技術的な手続き問題”とか“難度は予想を超えて”と肝心の焦点をぼかしたり、“米国や中国の銀行側の問題”とあたかも北朝鮮には何の問題もないような書き方をしないで、BDAにある北朝鮮の口座すべてが名義人の存在しない“架空口座”であり、こんな胡散臭い資金を受け入れたりなどしたら、銀行の信用問題に関わるという理由で、何処の銀行も送金を拒否している為に送金したくてもできないってはっきり書けばよい。

根本的問題は北朝鮮”にある。

 つまりは北朝鮮の信用度は今や地に落ち、金正日のぜいたく品を買い集めようにも、もはや現金決済以外では何処も取引してくれなくなったのだと。

 そして、この状態を一言で表すとこうなる。

北朝鮮資金「整理に時間がかかる」 麻生外相が認識示す

 麻生太郎外相は22日の自民党麻生派総会で、6カ国協議で北朝鮮がバンコ・デルタ・アジア(BDA)の資金移管が確認できないことを理由に協議に応じていないことに関し「どれが金正日(総書記)の資金で、どの資金が誰のか整理するのに時間がかかる」と、移管手続きに手間取っているとの認識を示した。

 その上で「『まだ振り込みがない』と言って、振り込め詐欺みたいな話になってはかなわない」と北朝鮮を牽制(けんせい)した。

(2007/03/22 20:18) 産経新聞

 麻生外相が北朝鮮の態度を評して“「『まだ振り込みがない』と言って、振り込め詐欺みたいな話になってはかなわない」”と語ったのは、 BDAに存在する北朝鮮の口座が名義人の存在しない“架空口座”であることを皮肉ったものと見て間違いないでしょう。

 BDAに存在する多数の北朝鮮の“架空口座”がいったいどれほどの犯罪に使われたのかわかりません。その“架空口座”の大元が、身元を明かすことなく目前に吊るされた資金を回収しようと焦っている様を見て、麻生外相はこれを“振り込め詐欺みたいな話”と揶揄したのでしょう。

 それは“「どれが金正日(総書記)の資金で、どの資金が誰のか整理するのに時間がかかる」”という言葉にもはっきり表れています。

 振り込め詐欺は身元を明かさないからこそ成り立つ商売です。その口座が警察に差し押さえられたからといって、身分を明かして取りに行く馬鹿はいません。

 オマケに金正日はかつて、めぐみさんの骨だと偽って何処の誰だかわからない骨を日本政府に引渡し、それと引き換えに“国交正常化”というカネをタダ取りしようとしやがった前科があります。

 そういった奴らが身元を明かさなければカネが入らない、しかし身分は明かせないというジレンマに陥っている姿を見ることは、麻生外相でなくても愉快なことであることは間違いない。

 この北朝鮮の状態は正に“追い詰められた振り込め詐欺”といったところなのか。

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コメント

BDAの資金受け取り人は、案外ご家族でヒッピーなさっている金正男だったりして、でもスーツケースに何杯分なのかしら。

投稿: あ_さくら | 2007年3月23日 (金) 09時32分

相変わらず朝日は駄目だ。
真実を伝えないジャーナリストとは一体何だ?
ジャーナリスト宣言が聞いて呆れるぞ。
拉致問題が解決しなければ、日本はビタ一文出さない。
麻生外相の言う通りだ。
痩せ我慢した北朝鮮が自壊しようが日本の知った事では無い。
一番困るのは難民が押し寄せる支那か?
支那は北朝鮮を説得しなければならない。
その意味でBDA問題を支那に丸投げしたアメリカはGJ!!だ。
北朝鮮に引きずられて支那が没落する事を望む。
オマケに韓国を付けるのを忘れずニダ。

特亜は世界の敵。逝って良し!!

投稿: 青雲大空 | 2007年3月23日 (金) 11時25分

>そうした送金を扱うことを拒んでいる

提案。いっそ北朝鮮の即席強盗団にBDAを襲撃してもらいましょう。BDAはそれらの資金を、窓口近くの目立つところに置いておく。で、防犯訓練のようなまねをするんです。だめ?

投稿: あに | 2007年3月23日 (金) 14時19分

まさに!悪銭身につかず!^^www

投稿: 通行人 | 2007年3月23日 (金) 20時27分

アメリカ腰砕けかよ、キムゲガンひゃっほうだな、orz。と思っていたのですが、屋上屋を重ねすぎた将軍を自爆に追いやった米GJ、成り行きわかってて生暖かく見守っていた日本も勝ち組ってことでしょうか?
アネモネさんのところで「コルレス銀行」なる仕組みを教わり、WKTKしてたのですが、こういう詰みにすること、はじめから描いていたとすれば、ロイヤルチャーム作戦も壮大だったなあと懐かしく思い出しました。
架空口座と取引しないという基本的コンプライアンスを通すだけで崩れた北の戦略、日本が経済制裁を続けていることも
効果てきめんのようですし、大雑把に見てうまくいってるように思います。

このエントリ、すばらしくおもしろかったです。「そうだったのか!」と膝を叩いて立ち上がり、外に出かけて空を見上げ、「これでいいのだ」とひとり納得した気分です(叩かないし立たないし出ないし見ませんでしたが)。
最近仕事で忙しく、網乗り(?)が満足にできず、少ない時間の中、こうした心頼もしい記事に遭遇できた自分はほんとうに幸運です。
これからも鋭い分析と、分かりやすい解説のエントリ、期待してます。ありがとうございます。

投稿: 変言自在 | 2007年3月25日 (日) 21時51分

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