無意味な合意
だからどうした。
【北京=有元隆志】北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議は13日夕、北京の釣魚台迎賓館で全体会合を開き、中国が提示した合意文書第2次草案に基づき共同文書を採択した。文書には寧辺の核関連施設の停止・封印など北朝鮮の取る「初期段階措置」に対し、当面重油5万トン相当の支援を行い、施設の廃棄などに応じ段階的に増やし、最大で重油100万トン相当の支援を行う。日朝国交正常化など5つの作業部会を設置も明記した。米国のテロ支援国家指定解除などの論議を始めるとしている。日本は拉致問題の解決について、北朝鮮との個別交渉で要求していく構えだ。
北朝鮮の核放棄をうたった2005年9月の共同声明の実現に向け、具体的な第一歩を踏み出すことになる。北朝鮮は60日以内に寧辺の核施設閉鎖と、国際原子力機関(IAEA)の査察を受け入れる。その見返りに重油5万トン相当のエネルギー支援を開始する。
協議筋によると、エネルギー支援は北朝鮮を除く他の5カ国による「均等分担」を原則としている。次回の6カ国会合は3月19日に開かれる予定。
(2007/02/13 17:47) 産経新聞
こんな合意はKEDOの繰り返しに過ぎません。また過ちを繰り返すつもりなのか。
【ワシントン=五十嵐文】ジョン・ボルトン前米国連大使は12日、北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議で、北朝鮮の核放棄に向けた核施設の閉鎖などと見返りのエネルギー支援で合意したことについて、「とても悪い合意だ。1994年の米朝枠組み合意の繰り返しに過ぎない」と述べ、ブッシュ米大統領は受け入れを拒否すべきだとの考えを表明した。米CNNテレビのインタビューに答えた。
ボルトン氏は、「大量破壊兵器拡散をもくろむ世界中の人々に対し、長く持ちこたえて国務省の交渉担当者を疲れさせれば、報酬を手にすることができるという誤ったシグナルを与えるだけだ」と批判した。さらに、今回の合意は、北朝鮮の核実験を踏まえた国連安保理制裁決議の効果を損ない、イランの核問題にも悪影響が出ると指摘した。
ボルトン氏は対北朝鮮強硬派の代表格。今後、同様の批判が政権や議会などから噴出することも予想される。
(2007年2月13日18時34分 読売新聞)
朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)は、北朝鮮によるNPT脱退表明などで高まった核拡散に対する緊張が高まった朝鮮半島において、それを打開する為に行われたカーター元大統領と金日成主席との会談等を経て、1994年10月に米朝間で「合意された枠組み」が署名されたことに基づき、日米韓3か国によって設立された、北朝鮮における軽水炉プロジェクトの資金手当て及びその供与ならびに暫定的な代替エネルギーの供与等を目的とした機関です。
この同意に基づき、北朝鮮に対して年間50万トンの重油と出力1000メガワットの軽水炉2基が提供され、3年の据え置き期間を含む20年間で無利子返済することが合意されました。
それにもかかわらず北朝鮮は、2002年10月に訪朝したケリー米大統領特使に対し、ウラン濃縮計画の存在を認める発言を行って核拡散に対する緊張感を再熱させ、それを受けて開催されたKEDO理事会によって年間50万トンの重油の提供が同年12月に停止することが決定されました。
これに対し北朝鮮は核関連施設の凍結解除及び同施設の稼動と建設の即時再開を発表し、続いて、黒鉛減速炉、燃料加工工場及び再処理施設の封印撤去、IAEA査察官の国外退去等の措置を一方的に取り、翌2003年1月10日にNPT脱退を表明したのです。
この過去の経緯から見れば、核関連施設の停止・封印措置の合意など北朝鮮にとって何の意味も成さないことがわかります。いずれは些細な理由で合意を破棄し、援助のただ取り、債務の踏み倒しをするに決まっています。こんなことはただの時間稼ぎであり、制裁解除のためのまやかしに過ぎない。
日本政府はこのような安易な合意に影響されること無く、北朝鮮に対する制裁を断固として継続するべきだ。
北朝鮮の核問題を巡る6か国協議が13日、合意に達したが、政府はこれまで北朝鮮に対して実施してきた輸出入制限などの経済制裁を当面継続する方針だ。
エネルギー支援についても経済産業省は、「拉致問題に何らかの進展がないと踏み出せない」(経済産業省幹部)と、慎重な姿勢を崩していない。
政府は現在、<1>北朝鮮からの輸入全面禁止<2>「ぜいたく品」24品の北朝鮮への輸出禁止<3>北朝鮮籍を持つ者の入国原則禁止<4>北朝鮮関連の指定口座凍結――などの経済制裁を実施している。
このうち、輸入禁止措置では、昨年11月9日から、例外だった「日本からの原材料を利用した北朝鮮での加工品」の輸入も禁止され、12月の北朝鮮からの輸入額はゼロとなった。全国の税関当局では、第三国を経由する「迂回(うかい)輸入」も警戒し、中国から輸入されるウニ、マツタケなどの16品目について、日本側の輸入業者に原産地証明の書類添付を求めている。
さらに、政府は北朝鮮を念頭に、今通常国会に、輸出入書類の虚偽申告に対する罰則を強化する関税法改正案を提出している。現行の「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」から、それぞれ「5年以下、500万円以下」に改める内容で、合意はこうした措置にも当面影響しない見通しだ。
(2007年2月13日20時39分 読売新聞)
北朝鮮がなんら具体的な譲歩をしていない状態で、見返り支援を約束するなんてことは馬鹿げています。一方的にルールを破棄する相手にゲームは成り立ちません。このゲームで北朝鮮が得をすることはあってはならないことなのです。
日本は拉致被害者の全員をとりもどすまで、北朝鮮に対する強硬姿勢を絶対に崩してはならない。
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参考サイト
朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO) 外務省HP
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コメント
もう民主には、いっさい期待できないことが判明しました!
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★前原前代表 拉致進展なくば支援なしを批判
<日テレ 2/13 18:25>
安倍首相が「拉致問題が解決しなければ北朝鮮へのエネルギー支援を行わない」としていることについて、
民主党・前原前代表は13日、衆議院予算委員会で
「北朝鮮が暴発すれば日本が被害を受ける。国益につながらない」と批判した。
前原前代表は「どちらが大切なのかよく聞かれる。
拉致の問題なのか、核の問題なのか。
(安倍首相は拉致問題に)こだわり過ぎている。
変えるなら早いほうがいい。
6か国協議の中からだんだん日本は発言権がなくなってくるのではないか」とただした。
これに対し安倍首相は
「スキーム全体での協力は、日本もしていきます
。日本の強い意思ということで(各国から)了解を取っている状況。
(日本の援助は)拉致問題を解決していくための大切なツールである限り、たやすく手放すわけにはいかない」と反論した。
さらに、安倍首相はアメリカなども日本の方針を理解しており、何ら国益を損なわないとの見方を強調した。
http://www.news24.jp/77350.html
投稿: お笑いお花畑 | 2007年2月14日 (水) 18時42分
>「北朝鮮が暴発すれば日本が被害を受ける。国益につながらない」と批判した
やれやれ、前原君も相変わらずですね、国民の生命と財産を守るという国の大義を守る事が、結果国益を守ることになり、是非必要な場合があるのですよ。
例えば戦前、第一次上海事件と言うのがあった、国府軍のウチ悪名高き北伐軍が、在上海の外国人居留民に対して襲撃を行い、死者まで出した事件で、事件後、被害を出した各国から、同盟して報復を行おうとの誘いがあったが、対シナ宥和策を採っていた幣原外相は、この北伐軍の蛮行に対し、報復処か、抗議も行わなかった、結果どうなったか、上海ではこの後にも、外国人襲撃が続き、多くの居留民の惨殺事件である済南事件、通州事件の遠因とも、日中戦争の原因の一つともなったではないか。
蒋介石に、日本政府の弱腰で優柔不断な政治姿勢を見透かされて、日本は強硬に出れば譲歩すると見くびられた結果だろう。
朝鮮が暴発するというのなら、抑え込める武力を示せばよい、ダケの話しでしょう、核があるぞと言うのなら、日本も核を持てばよいダケの話し、そういう自由を与えたのは米国、ロシア、シナだろう、朝鮮との合意中に、放棄の期限がついていない事から、放棄云々は無効である、すると、生存権から云って、相手の攻撃を躊躇わせるに足る、相手と同等の武力や、相手に報復するに足る武力を持つ権利は保証されるべきだから、日本も核を持って良いことになる。
歴史に学ばず、目先の利益だけしか議論のネタに出来ないのでは、政治家としての器の大きさが唯それだけのモノだという証拠ですよ。
投稿: ナポレオン・ソロ | 2007年2月14日 (水) 21時18分