追い詰められる北朝鮮
対北朝鮮の経済制裁はかなり効いているみたいです。
財務省が28日発表した11月の貿易統計(確報値)によると、北朝鮮との輸出入額の合計は前年同月比95%減の7732万円だった。政府が10月中旬から北朝鮮からの輸入を全面禁止したほか、11月中旬にはマグロなどのぜいたく品の輸出も禁止し、貿易総額は急減した。北朝鮮に対する経済制裁措置の効果がはっきりと表れた形だ。
輸入額は前年同月比96%減の4374万円。北朝鮮による10月9日の核実験実施を受け、政府は10月14日に輸入を全面的に禁止した。ただ、日本の原材料を加工した北朝鮮の製品が第三国を経由して輸入された場合、経済産業省が日本産とみなして輸入を承認する一方、貿易統計上は北朝鮮産とするため輸入がゼロにはならなかった。
(16:00) 日経新聞
中国を経由した迂回輸出という抜け道もありますが、それはそれで中国商人に足元見られて買い叩かれるだけで、北朝鮮にとってはたいしたウマミはありません。そして、頼みの覚せい剤に対する取り締まりも国際的に強化されつつあります。
タイで開かれた薬物犯罪対策を協議する国連の国際会議で、警察庁は「北朝鮮が覚せい剤密輸事件に国家的に関与した」とする報告をし、同国の薬物犯罪に関する情報交換の必要性を強調した勧告案と併せて全会一致で採択された。
警察庁の漆間巌長官が7月、同国の国家関与を明言したが、同庁が国際的な公の場で言及したのは初めて。各国の利害が絡む国際会議で、特定の国を批判する勧告の一本化は難航するケースが多いだけに、警察庁は「今後、北朝鮮による薬物犯罪の取り締まりに各国の協力が得やすくなった」としている。2006年12月9日(土)07:37 共同通信
6者協議では金融制裁に対して強気に出たものも、全く相手にされず物別れに終わりました。
【北京・飯田和郎】北朝鮮の核問題を巡る6カ国協議の米首席代表、ヒル国務次官補は23日、北京で記者団に「北朝鮮はいくつかの決断をする必要がある。北朝鮮の代表団が平壌に戻り対応を議論することを期待する」と語り、北朝鮮の核廃棄に向けた米国の提案を受け入れるよう促した。ヒル氏はこの後、帰国の途に就いた。北朝鮮首席代表、金桂冠(キムゲグァン)外務次官も同日帰国した。
米国は22日に休会した今回の協議で、北朝鮮に対し核廃棄に向け4段階に分けた措置と、相応する「見返り」案を提示したが、北朝鮮は金融制裁解除を優先すべきだと主張し議論にならなかった。
一方、中国の李肇星外相は22日夜、ライス米国務長官と電話で協議し、6カ国協議の交渉経過を説明、今後の対応について意見交換した。12月24日10時18分配信 毎日新聞
そして追い詰められた金正日は、非常用の金塊にさえ手を付け始めたようです。
米国の金融制裁を受けて、マカオの銀行「バンコ・デルタ・アジア(BDA)」の口座が凍結されて以降、北朝鮮がロンドン金市場に再加盟したり、タイへ金塊を輸出して約2800万ドル(約33億円)を得たりするなど、国際市場での金塊取引に乗り出したことがわかった。
BDAだけでなく、他国の銀行でも関連口座が凍結される事態になった北朝鮮が、「金塊ビジネス」での外貨獲得に躍起になっている一端が浮かんだ。
北朝鮮の通貨発行機能を持つ「朝鮮中央銀行」(本部・平壌)が今年5月12日付で、金取引で権威のあるロンドン金市場の「グッド・デリバリー」というリストに再掲載された。リストは、金塊の品質などを審査したうえで、国や企業名などを掲載するもの。同中央銀行は1976年に一度加盟していたが、その後、取引実態がなかったとみられ、2004年6月、リストから外されていた。12月26日3時5分配信 読売新聞
【ロンドン29日時事】英紙タイムズは29日、北朝鮮の金正日政権が米国などによる金融制裁の影響を和らげ、外貨を獲得するため、ロンドン金市場での金塊売却を計画していると報じた。
同紙によると、北朝鮮の朝鮮中央銀行が今年、ロンドン貴金属市場協会の「適正供給者資格」を再取得した。トレーダーらによると、今のところ、北朝鮮が金塊を売却した様子はないが、定期的に供給できるようになれば売却に乗り出すとみられている。12月29日11時1分配信 時事通信
日米主導の金融制裁と経済制裁、それと国際社会を巻き込んだ北朝鮮の違法行為による資金集めを封じ込めた結果、金正日は相当追い詰められてきたようです。
それも外貨獲得のために非常用の金塊まで売り出したとなれば、案外、早い時期に体制の崩壊が起こる可能性も出てきました。日本は幸い6者協議において北朝鮮から部外者として看做されており、また、以前より拉致問題が解決しない限り援助はしないことを宣言しているので、この厄介者の北朝鮮が崩壊した時の始末は、飼い主である中国にすべての責任を取ってもらえばよい。
北朝鮮の崩壊はもうすぐだと思う方はクリック!(人気blogランキングへ)
| 固定リンク
| コメント (5)
| トラックバック (4)
最近のコメント