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2006年11月 9日 (木)

中川(酒)が当面自粛

いい判断です。

「核」発言を当面自粛 中川氏、米中間選挙理由に

 自民党の中川昭一政調会長は8日、都内で講演し、北朝鮮の核実験を受け核保有議論の必要性を強調した一連の発言に関し「核兵器の話はしない。マスコミにいじめられるというレベルの低い話ではない。私なりの高度な政治、外交、安全保障上の観点からだ」と述べ、当面は「核」に関する発言を控える考えを示した。
 その理由については、米中間選挙で共和党後退を受けた米国の対北朝鮮政策の変化や、近く再開される6カ国協議での北朝鮮の出方を見極める必要性を指摘。「状況を2、3週間注目しなければならない。見守ることが大事で、あえて発言しない」と述べた。
 中川氏の発言をめぐっては、安倍晋三首相の任命責任を指摘する声が出るなど党内からも幕引きを求める声が強まっていた。米中間選挙などを口実に自粛を判断したとみられる。
 一方、自民党の山崎拓前副総裁は講演で、核保有議論をめぐる発言に関し「首相は非核3原則は国是だと言った。最高指導者の意見を聞かないのは政権内不統一だ」と強調。「指導者の鼎の軽重が問われる。発言をやめさせるか、職責を辞めさせるかのどちらかだ。人心を惑わす」と述べた。

11/9 (19:00) 共同通信

 最初の発言が15日であり、その翌週22日に訪米という日程を考えると、米中間選挙にあわせて、北朝鮮の脅威に対抗するための日本の核保有問題を、国際社会と米国の有権者に提起する狙いがあったと考えられます。米国民の北朝鮮に対する意識はあまりにも低く、必ずしも成果があったとはいえませんが、一応、この日本の核保有に関して“米国の民意を問うた”という事実は残りました。

 今回、民主党が低所得者の指示を集めたことからもわかるように、米国民の関心はイラク戦争の厭戦気分も相まって、その重心を外交から内政へと移しています。これは米国の外交政策にも影響を与え、北朝鮮に対する外交姿勢が劇的に変化する可能性もあります。

 民主党はクリントン大統領が金正日に簡単にだまされたことでもわかるように伝統的に北朝鮮に甘く、その政策は対話路線をとっています。一方、ブッシュ大統領は日本との同盟関係を優先し、また、過去の北朝鮮との交渉の苦い思い出もあり、民主党との違いを出す出す為にも強硬路線をとっています。

 日本は共和党の外交政策を支持し、外交を行なってきたわけですが、北朝鮮が核実験を強行した現在、この日本の頭越しで北朝鮮と話をつけるという民主党の対話路線は、日米同盟関係の明らかな裏切りであり、日本としては対抗策をとらざるを得なくなります。

 昨日のエントリーでも、海外のメディアの日本の核保有論に対する反応を取り上げましたが、国際世論は日本の核保有は北朝鮮の核実験とそれに伴う韓国の不誠実な態度が強要したものと捕らえられているようです。そしてその同情論は、民主党が北朝鮮への対話路線をとることによってさらに“日本の核保有やむなし”の方向へ強まるでしょう。

 中川(酒)政調会長は日本の世論を相手にしていただけではなく、国際世論、特に米国の世論を重視していたと思われます。今のままでは、日本の核保有を含めた自主防衛に関して共和党といえども慎重論が多いようですが、今後、民主党の圧力によって、いざ日本の頭越しに米朝直接対話となった場合には、共和党内にも日本への同情論が高まり、核保有を含めた自主防衛を容認する可能性があります。

 冷戦が終結し、日本の駐留米軍の存在価値が薄まる中、日本の自主防衛という課題はここ5~10年の政権に課せられた使命です。特に、ブッシュ大統領の任期が切れるまでの2年が最も重要な期間となるでしょう。これをクリアしないことには日本の将来も、領土も、財産も、国民の生命も守れる保障はどこにもありません。日米同盟は強固ではありますが、絶対ではないのです。

 いずれにせよ、ここ2~3週間が勝負です。6者協議は成功する見込みはなく、民主党の勝利を見届けた金正日はさらに調子に乗るでしょう。日本は当事者として、もう米国に頼ってばかりはいられません。中川(酒)政調会長の核保有議論はわれわれ日本国民にも自主防衛意識を高め、次の段階へ移行する為の覚悟を求めています。今こそ戦後長らく続いたぬるま湯から脱し、真の主権国家として“自分の国は自分で守る”という自覚を持たねばなりません。

 一方、自民党の山崎拓北朝鮮工作員は、また公演で馬鹿なことを言ったようです。自民党には“全ての人々の基本的人権を尊重する、真の自由主義・民主主義の政党”であり“自国の安全はみずからが守るという、気概と使命感をもち、正義と秩序を基に世界平和を希求し、その実現に貢献する”という建前があります。こんな馬鹿でも自民党に背いたら生きていけないことは理解しており、この建前には表面上は逆らうことはできません。安倍首相も難しい舵取りが続くと思いますが、こういった建前を利用しつつ無難に、そしてしたたかに党内をまとめ、一歩一歩主権国家としての地歩を固めて行き、将来の憲法改正、政界再編を是非成し遂げていただきたいものです。この売国工作員を国会から排除するのは私たち有権者の役目です。

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コメント

中川(酒)氏が「核議論」をいったん引っ込めたのは、このような戦略的な判断があったんですね。
いつも外国の命令にすごすごと引き下がって言いなりになっていたかつての日本のやり方とは、隔世の感があります。
ところが、こうした背景が読めないマスゴミは、あいも変わらず「中川の変節」というような揶揄をしています。
つまり、中川氏は自分の地位をかけてまで貫く度胸がないという論調で、氏を「変節扱い」しているのです。
こういう悪意に満ちたマスゴミ報道はもう信じられません。
いこれからも的確な分析をお願いします。


投稿: アサピー嫌い | 2006年11月 9日 (木) 11時36分

中川、麻生両氏が、「高度な政治、外交、安全保障上の観点で話している」とのメッセージをしっかり受け取った日本国民が過半数を超えています。
中川氏の話で、米国には日本の安全保障を再確認させ、中国には北に強い態度を取らせることに成功しました。
「戦争を準備するものに戦争は近づかないが、準備を怠るものに戦争は襲いかかる」との格言の意味を、日本人は議論してみるべきですね。
日米安保条約と平和憲法、戦争を回避出来たのはどちらのお陰か?
日本を破滅させたい人権派・政治家・マスコミに騙されないよう、言論の自由である「議論」は大切ですね。

投稿: 美しい国 | 2006年11月 9日 (木) 18時34分

中川(酒)の「(酒)」は何を意味するのでしょう?

投稿: horrible | 2006年11月 9日 (木) 18時44分

なんか無理な議論しているな。ただ単にブッシュ敗北を受けて、機を見るに敏な浮気男が、さっさと変節しただけだろう。それほどの意味はないよ。中川(酒)なんてその程度の人間だよ。

投稿: アット為五郎 | 2006年11月 9日 (木) 21時44分

自民党には、中川昭一政調会長と中川秀直幹事長がいて紛らわしいため、JAROの指導(ウソ)により、ネットでは一般的に一方を(酒)、もう一方を(女)という補助コードをつけて識別しています。
由来はそのまんまです。昭ちゃんは酒乱で秀ちゃんは女癖が悪いのです。
安倍政権はタカ派と呼ばれていますが、もともと日本は左により過ぎているため、どちらかといえば右というより中道右派に属し、もともと右より過ぎる米国のブッシュ政権に対抗する民主党もやはりどちらかといえば中道右派に属します。
民主党政権が長く続けば左によってくると思いますが、今のところは同じ中道右派の現実路線同士。とりあえずここは様子見というのが正しい選択ではないでしょうかネェ。

投稿: takayuu | 2006年11月10日 (金) 00時45分

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