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2006年10月 8日 (日)

未来志向の戦略的互恵関係

安倍首相が人民大会堂で中国の胡錦濤国家主席、温家宝首相らと会談したようです。

協力関係発展で一致 日中首脳会談

 【北京=石橋文登】安倍晋三首相は8日午後、政府専用機で北京入りし、人民大会堂で中国の胡錦濤国家主席、温家宝首相らと会談した。安倍首相は「日中両国は未来志向で戦略的互恵関係を築くべきだ」と強調し、協力関係を発展させる考えで中国側と一致した。北朝鮮の核実験声明については「絶対に容認できない」と述べ、核実験阻止に向け、両国が連携していくことを確認した。靖国神社参拝では、参拝するかどうかは言及しないとした上で「適切に対処する」と述べた。

 胡主席は会談の冒頭、「首相が最初の訪問国に中国を選び、中日関係の改善と発展を重視する姿勢を評価したい」と歓迎。今回の訪中を中日関係改善の転機であり、新たなスタートになることを期待する」と述べた。安倍首相は「初めての訪問先に中国を選んだことは、日中双方が両国関係を極めて重視していることを示す」と応じた。

 安倍首相は歴史認識について、平成7年の「村山談話」を踏襲する姿勢を示し、「わが国の戦後60年間の平和国家としての歩みを正当に評価してほしい」と述べ、中国側も理解を示した。さらに、両国の有識者による歴史共同研究を年内に立ち上げることを提案、胡主席も同意した。

 また、中国側は「政治的障害」として靖国神社参拝自粛を求めたが、安倍首相は「日本の多くの歴代の総理は国のために亡くなった方々に対して哀悼の誠をささげ、平和を願い参拝してきた」と説明し、今後の対応を明言しなかった

 また、安倍首相は会談で胡主席と温首相に早期の訪日を招請、両首脳も前向きに検討する考えを示した。また、胡主席と11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議(ベトナム・ハノイ)で、温首相とは12月の東アジア首脳会議(フィリピン・セブ島)でそれぞれ再会談することで合意した。

(10/08 21:04) 産経新聞

会談にあわせてプレス声明も発表されたようです。

日中両国が共同プレス発表

 日中両国は8日、安倍晋三首相と胡錦濤国家主席の首脳会談などを受けて共同プレス発表を行った。このなかで、歴史認識問題については日中共同声明や日中平和友好条約などの原則を順守するとともに「歴史を直視し、未来に向かい、両国関係の発展に影響を与える問題を適切に処理する」ことで一致した。

 また、北朝鮮が核実験を行うとしている点については「核実験の問題を含む最近の朝鮮半島情勢に深い憂慮」を表明。北朝鮮の核開発をめぐる6カ国協議を推進し、対話と協議を通じて朝鮮半島の非核化実現などに協力することを確認した。(北京 石橋文登)

 ■日中共同プレス発表の骨子

 一、日中関係は両国にとり最も重要な2国間関係の一つ

 一、双方は日中共同声明、日中平和友好条約および日中共同宣言の諸原則を順守し、歴史を直視し、未来に向かい、両国関係の発展に影響を与える問題を適切に処理する

 一、双方は共通の戦略的利益に立脚した互恵関係の構築に努力する

 一、日本側は中国の指導者の訪日を招待。中国側は原則的にこれに同意

 一、日本側は戦後60年余、一貫して平和国家として歩み、引き続き、平和国家として歩み続けることを強調。中国側はこれを積極的に評価

 一、東シナ海を平和・協力・友好の海とするため、双方が対話と協議を堅持し、意見の相違を適切に解決する

 一、日中有識者による歴史共同研究を年内に立ち上げる

 一、双方は、核実験の問題を含む最近の朝鮮半島情勢に深い憂慮を表明。対話と協議を通じて朝鮮半島の非核化の実現、北東アジア地域の平和と安定維持のため、6カ国協議を推進し、ともに力を尽くす

(10/08 20:44) 産経新聞

 無事会談が終了したようですが、プレス声明にも明記されている安倍首相の“未来志向の戦略的互恵関係”という言葉に表れているように、小さなわだかまりは捨て、両国が共に歩み寄る形となったようです。

 北朝鮮関係については「絶対に容認できない」とし、両国が協力して対処することを確認できた点は大きい。この成果については明日の韓国との首脳会談でノムヒョン大統領の態度を見ればわかるでしょう。

 さて、歴史問題ですが、安倍首相は村山談話の踏襲という従来どおりの政府の見解を述べたにとどまり、また、中国側も靖国参拝について言及はしましたが、それ以上突っ込んだ話はしませんでした(A級戦犯合祀や戦時指導者の責任問題など)。

 そして、参拝について安倍首相が今後の対応を明言しなかったにもかかわらず、胡主席とは11月に、温首相とは12月に再会談を合意しました。これは、靖国参拝自粛するかどうかを明言するということは、すでに会談の障害にならないことを意味しています。

 会談において、胡主席が“中日関係改善の転機”と述べたことは、中国としても日本との“未来志向の戦略的互恵関係”が重要と考えていることの現れであり、“原則を重視し、未来へ向かう”つまり、負のベクトルから正のベクトルへの転換”を意味しています。このことは、安倍首相の“両国の有識者による歴史共同研究を年内に立ち上げることを提案”したことに対し、胡主席が同意し、プレス声明にも明記されたことにも現れています。

 これは、歴史問題は学者に任せ、もう政治とは切り離して考えようという安倍首相の考えに中国側も同意したと考えていいと思います。当たり前といえば当たり前なんですが、これでサヨクマスコミの出番が無くなったってことだけは確かです。本気で良好な両国関係を望むなら、もう口を出すなよアサピーくん。

 日本で野党とサヨクマスコミがあんなに煽ったにもかかわらず、両国が冷静に対処し、未来志向の戦略的互恵関係の構築に合意できたことは非常に意義があると思われます。まずは速報からですが、私なりに理解したことをご報告申し上げます。一つ山を越えました。

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